仮想通貨決済が普及するために乗り越えなければならないスケーラビリティ問題とは

仮想通貨決済が普及するために乗り越えなければならないスケーラビリティ問題とは

BCHがコンビニで使えるようになるというニュースが話題になっていますね。

最近、BCHはハードフォークを行いブロックサイズを8MBから最大32MBまで変更しました。

なぜこのような変更を行ったのかというと、スケーラビリティを改善するため。

では仮想通貨のスケーラビリティとはいったい何なのか、改善しなければダメな理由をまとめていきます。

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仮想通貨のスケーラビリティとは

スケーラビリティとはシステムやネットワークの利用者増大に対し、適応できる能力や度合いのことで、拡張性の一つです。

仮想通貨界隈のスケーラビリティというと、主にどれだけトランザクション(取引数)をさばけるのか、という感じで使われることが多いようです。

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代表的な仮想通貨のスケーラビリティ

では代表的な仮想通貨である、ビットコイン、XRP、イーサリアム、ビットコインキャッシュの1秒間に処理できるトランザクション数を見ていきます。

ビットコインのトランザクション数

ビットコインの1秒当たりのトランザクション数は7/秒。

10分で一つのブロックが生成され、そのブロックに4000の取引が格納されるという仕様のため、4000取引/600秒≒7取引/秒という計算になります。

XRPのトランザクション数

XRPの1秒当たりのトランザクション数は1500/秒。

ブロックを生成せず、バリデーターの合意により取引を承認するという仕組みのため、ブロックチェーンを利用した仮想通貨とは一線を画す取引承認速度となっています。

イーサリアムのトランザクション数

イーサリアムのトランザクション数は15/秒。

現在はイーサリアムもBTCと同じくPoWという承認アルゴリズムで取引を承認されています。

BTCと異なるのは一つのブロック生成時間15秒と短く、一つのブロックに格納される取引数は決まっていません。

一つのブロックが生成されるたびに、gasリミットとよばれる、どれだけ取引を格納することができるかを決める数値を、マイナーの投票によって可変する仕組みとなっています。

ビットコインキャッシュのトランザクション数

ビットコインキャッシュのトランザクション数は92/秒

BTCからハードフォークして生まれたビットコインキャッシュも取引の承認方法にPoWを採用しています。

BTCとの大きな違いは、ブロックサイズが大きいこと。

BTC1MBに対し、BCHは最大32MBのブロックサイズまで大きくすることができ、これによりブロックに格納される取引数を増やすことで承認数を増やしています。

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仮想通貨のスケーラビリティ問題

代表的な仮想通貨それぞれのトランザクション数を確認したところで、もし今後仮想通貨が身近な決済に使われるようになった際に起こってしまう、スケーラビリティ問題とは何か、解説していきます。

BTC、イーサリアムの送金詰まり

2017年12月ごろ、仮想通貨は爆発的な値上がりをしました。

まさにバブルという感じで買いが買いを呼び、我先に仮想通貨を買う動きがみられました。

アルトコインを買うために一度BTCを購入し、それを意中のアルトコインが売っている取引所に送るという処理が増え、結果BTCの送金が詰まってしまいました。

結果、BTCで送金するのをあきらめ、BTCについで取り扱いが多いイーサリアムで送ろうとする人が増え、今度はイーサリアムの送金が詰まるという現象が起きました。

仮想通貨決済の普及に耐えられるのか

投機による売買が旺盛になるだけで盛大に詰まってしまった仮想通貨ですが、もし仮想通貨による決済が普及するとしたら、その実需に耐えられるのでしょうか。

現在の決済基盤であるVISAカードのトランザクション数は最大65000/秒、平均4000/秒。

最低でもこれ位のトランザクション処理能力がなければ、決済には使えないことがわかります。

仮想通貨のスケーラビリティ問題を解決するために

オンチェーンでの処理能力は、承認アルゴリズムの仕組み上頭打ちです。

このままの処理速度では、仮想通貨を用いた決済などほぼ無理なので、仮想通貨による決済を目指し様々な方法で解決しようとしています。

では、どのようにこのスケーラビリティ問題を解決しようとしているのかまとめていきます。

ブロックサイズの拡大

この方法は単純にブロックサイズを拡大し、一つのブロックに格納できる取引数を多くすることで、処理数を増やそうという方法です。

1MBで4000の取引が格納されるとすると、32MBにブロックサイズを引き上げると単純に32倍の取引が1ブロックに格納されるため、1秒当たりのトランザクション処理数が増えることがわかります。

取引データの圧縮や縮小

先ほどのブロックの容量を増やすこととは逆に、ブロックの中に格納されるデータを小さくすることで、1つのブロックに格納できる取引数を多くするという方法があります。

2017年のBTCのsegwitがこれにあたります。

ブロック生成時間の短縮

時間当たりの生成ブロック数を増やすことにより、取引数を増やすことも可能です。

イーサリアムがBTCより処理速度が速い理由の一つがブロック生成時間の短さです。

10分に1つのブロック生成を行うBTCに対し、15秒に1つブロック生成をおこなうイーサリアムのほうが処理速度は高くなります。

問題はブロック生成間隔が短いと、チェーンが分岐する確率が上がり、破棄されるトランザクションが増えるという問題が起こりやすくなります。

オフチェーンでの取引

上記3つの解決方法は主にオンチェーンの処理能力自体を改善する試みであることに対し、最後の改善方法は、取引自体をオフチェーンで行い、差分のみをブロックに格納するという方法。

ペイメントチャネルやライトニングネットワーク、サイドチェーンなどがこれにあたります。

取引をオフチェーンで行うことで、ブロック生成速度やブロック容量に左右されずに取引ができるようになる半面、カウンターパーティリスクやセキュリティ面での課題が残ります。

この課題を解決するために、マルチシグネチャやエスクロー、HTLC等の技術を持ちい、安全にオフチェーンで取引ができるようにしています。

仮想通貨のスケーラビリティまとめ

今後、どんどん仮想通貨を利用した決済サービスが登場してくると思います。

その際に必ず取引処理数の上限に突き当たると思いますが、そこをどのように乗り越えていくのか、注目していきたいと思います。

 

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